いま、NHKのラジオ「まいにち中国語」の応用編では、霍建起(フォ・ジェンチー)監督の映画『初恋の想い出』(原題『情人結』)を題材にして講座がおこなわれています。霍建起監督は、『山の郵便配達』『故郷の香り』などでも知られ、とくにその静かな淡々としたストーリー展開と心に訴える美しい映像は定評のあるところで、そのことについてもいつかは感想を書いてみたいと考えています。 (下の写真は『初恋の想い出』のヴィッキー・チャオとルー・イー。ヴィッキー・チャオはこの作品で第8回上海国際映画祭主演女優賞を獲得。)
この『初恋の想い出』のなかに、「魯迅の『傷逝』のなかの『子君』みたいに、君が後悔するんじゃないかと心配だ」という一節があって、講座ではこのことを契機に魯迅についていろいろと語られました。そのひとつに、「魯迅の優れた伝記」として井上ひさしさんの 『シャンハイムーン』が紹介されたのです。私は、井上ひさしさんのファンで、小説はほとんど全部読みましたが、戯曲は何となく取っつきにくく感じてあまり読んでいませんでした。たまたま地元の図書館にすでに絶版になっているこの本があったので、さっそく借りてきて読んでみました。たしかに、この本は面白い。魯迅を国民党の追及の手からかくまった日本人たちの熱い想いがビビッドに伝わってきます。彼らの、一方では国民党から、もう一方では非国民と叫ぶ同胞からのあらゆる誹謗・中傷・迫害にも負けることなく暖かく魯迅を守っていく姿は、なにか尖閣問題などで揺れ動く現代にも通じる、人としての在りようを問うもののように感じました。
ラジオ講座のなかで紹介された魯迅の『小さな出来事』とはどんなものかと思って、一緒に竹内好訳の岩波文庫本も借りてきました。文庫本5ページにも満たないこの短編を読んでみて、『シャンハイムーン』のなかで語られていた次の一節の意味がよくわかりました。
「読む者のこころを洗い清め、さらに静かな勇気を養わせてくれる魯迅小説。」
私は、魯迅という名前は知っていましたが、お恥ずかしいことに作品はひとつも読んだことがありませんでした。ということで、この冬は魯迅の作品に挑戦してみようと思いたったのでした。
ところで、藤井省三さんは、竹内好さんの訳は「日本的土着化傾向」が強く、魯迅の長文を短文に置き換えてしまって、迷い悩む魯迅の思いを明快な思考に変換してしまっていて正確な訳にはなっていない、といっています。
「じゃあ、原文で読んでみるか」ということで、東方書店から魯迅の作品『吶喊』、『朝花夕拾』、『故事新編』の三冊を取り寄せ、「この冬は魯迅に挑戦するぞ」と意気込んでいます。
2011年1月22日土曜日
2011年1月19日水曜日
2011年1月14日金曜日
初滑り 湯の丸スキー場
冬の運動不足の解消をねらって、湯の丸スキー場に今年の初滑りに行ってきました。ここは金曜日はシニアデーということで60歳以上はリフト一日券が1000円なので、冬休み明けの空いた時期の金曜日でしかも天気も良い今日、滑り初めをしてみたわけです。このスキー場はゲレンデもそんなに急斜面ではなく、お客もそれほど多くないので、無理なく滑れて、体力作りの場所としては格好の穴場です。しかも周りの景色がとても綺麗です。写真の背後の山は右が湯の丸山、左が烏帽子岳です。写真をクリックしてみてください。拡大されて雄大な眺めが実感できると思います。
カラマツ林越しに望む、左側の西篭の登山(標高2212メートル)と右側奥の東篭の登山(標高2227メートル)。
ゲレンデの上部からは、左奥から根子岳、四阿山、さらには白根山や苗場山などが眺められます。
カラマツ林越しに望む、左側の西篭の登山(標高2212メートル)と右側奥の東篭の登山(標高2227メートル)。
ゲレンデの上部からは、左奥から根子岳、四阿山、さらには白根山や苗場山などが眺められます。
2011年1月6日木曜日
地中美術館 (香川県直島町)
正月に帰省していた娘を送って行ったついでに香川県直島町にある地中美術館に行ってきました。いつもいつかは行こうと思っていたのですが、ついつい面倒くさくなってやめていたところ、今回は高速道路1000円割引の期間も短く、深夜割引だけを使ったので、時間調節の意味もあって地中美術館まで足をのばしてみました。
地中美術館は写真撮影が禁止されているので、入り口の写真だけを載せておきます。所蔵している美術品はモネの絵5枚を中心に数はすくないのですが、美術館そのものが一つの芸術品で、全国から多くの人が来るようです。
直島行きのフェリー乗り場のある宇野港付近は、倉敷や水島に近いせいもあって工場がたくさんあります。大きなクレーンがフェリーから見えました。
漁船も島のそばで操業していました。
直島の宮野浦港から折り返し宇野港にもどる乗ってきたフェリー。所要時間は20分です。下の写真も宮野浦港。
直島のそばには多くのフェリーが行き交っています。
この日は曇っていて、風も強く、遠くはあまり見通せなかったのですが、瀬戸大橋がぼんやりと見えました。
直島からは、高松市内が目の前にみえます。海の景色は、地図上で感じた距離感とはすこし違って、かなり近くに感じるような気がしました。
地中美術館は写真撮影が禁止されているので、入り口の写真だけを載せておきます。所蔵している美術品はモネの絵5枚を中心に数はすくないのですが、美術館そのものが一つの芸術品で、全国から多くの人が来るようです。
直島行きのフェリー乗り場のある宇野港付近は、倉敷や水島に近いせいもあって工場がたくさんあります。大きなクレーンがフェリーから見えました。
漁船も島のそばで操業していました。
直島の宮野浦港から折り返し宇野港にもどる乗ってきたフェリー。所要時間は20分です。下の写真も宮野浦港。
直島のそばには多くのフェリーが行き交っています。
この日は曇っていて、風も強く、遠くはあまり見通せなかったのですが、瀬戸大橋がぼんやりと見えました。
直島からは、高松市内が目の前にみえます。海の景色は、地図上で感じた距離感とはすこし違って、かなり近くに感じるような気がしました。