2012年10月31日水曜日

千曲川源流 甲武信岳周遊

 甲州、武州、信州の三つの県の境という甲武信岳山頂

先週の金峰山登山は、大弛峠までの悪路でかなりのエネルギーを使い果たし、山登り自体はきわめて安直なもので、燃焼不足きわまりないものでした。足の疲れがとれてくると、どうしてもその取り返しがしたくなってきます。ということで、きょうは甲武信岳周遊を試みることにしました。標準コースタイムが9時間半位ですから、かなりボリュームがあります。
 
 
川上村の最深部にある毛木平駐車場に車を駐めて7時半登山開始です。渓谷沿いに登山道があるので、川の水量をみながら登っていくと、源流までどのくらいあるか見当がつきます。

 周りの木々は、紅葉も終わって、かなり落葉が進んでいます。

「ナメ滝」です。なぜ ナメ滝なのかわかりませんが、看板が出ていました。

千曲川源流地点に到着しました。駐車場から、約二時間かかりました。登山道は登りやすい比較的傾斜の緩い道だったので疲れません。

 
 この木の下から湧き出ている水が千曲川の源流だそうです。

千曲川源流地点から約35分で甲武信岳の頂上に着きました。頂上付近は、ガスっていて、しかも風が強く寒いので甲武信小屋までいって休むことにしました。

頂上からすぐの所にある甲武信小屋です。ここで、暖かいコーヒーを注文して食事をとりました。

甲武信小屋にあった温度計です。マイナス0.5度を指しています。かなり寒いです。

甲武信小屋を10時半に出発して、十文字峠へ向かいます。この道は、主に稜線ですが、途中三宝山、武信白岩山、大山などがあって、かなりアップダウンがあります。三宝山は、甲武信岳(標高2475メートル)よりすこし高く、埼玉県の最高峰だそうです。

途中、尻岩のところを通過します。自然のなせる技とはいえ、おもしろい岩があるものだと感心しました。このあたりに来た頃、かなりあられが降ってきました。道もウッスラと白くなってきました。

甲武信岳から十文字峠への登山道の脇には、シャクナゲが大量に自生しています。6月頃来たら、見事な花が見られることでしょう。

十文字小屋です。甲武信小屋から、ここまで約二時間半かかりました。標識には、約四時間と書かれていましたから、結構速いペースで来られました。その間に、あった人は、二人連れ一組だけでしたから、静かな山歩きができました。

あとは、毛木平の駐車場まで下るだけです。下まで降りてきたら、日も差し始め紅葉もきれいです。

駐車場には、2時半に戻ってきました。休憩時間も入れて、約7時間の山歩きでした。標準コースタイムより2時間以上は速いので、かなり自信もつきました。

2012年10月25日木曜日

樹氷の金峰山

 大弛峠から金峰山への登山道 樹氷の世界です

今シーズンの山登りができる日もかなり限られてきたので、農作業をかえりみず、秩父多摩甲斐国立園の金峰山に登ってきました。三千メートル級の山は、雪でダメだろうと思って2,599メートルの金峰山にしたのですが、こちらも予想外の樹氷の世界でした。

「日本百名山」のひとつでもある金峰山には、川上村から登ることにしました。川上村へは、約二時間かかりました。林道を上がっていくと、途中きれいな山が見えてきました。紅葉もきれいです。天気も良く、テンションが上がってきます。

 
 金峰山荘方向との分岐点を左に向かい、大弛(おおだるみ)峠へといきます。大弛峠は、標高2,360メートルあって、車道峠としては日本最高所だそうです。

  この林道は、悪路で有名で、ネットなどでも「この道は避けたほうがよい」といろいろ書かれています。今日は、この道を通ってみるのもひとつの目的で、わざわざそのために4WDの軽トラできました。写真は、まだいい方で、石がごろごろしていて河原のようなところも何カ所かありました。
 自分の感想としては、「八ヶ岳の本沢温泉入り口からゲートまでの道の次に悪い」道でした。ただ、かなり道幅が広いので、対向車が来ても安心していられます。でも、一時間前後の林道通過中には一台も対向車が来ませんでした。
 
 
 大弛峠に着いてビックリ、木々が樹氷で真っ白です。それに、駐車場に入りきれない車が、舗装してない川上村側にまでびっしり路肩駐車しています。平日なのに、大勢の登山者が来ているようです。

 大弛峠に車をとめて、金峰山に向かいます。コメツガの樹林帯を行くのですが、木々には樹氷がビッシリ着いています。

 金峰山が近くなってきました。でも、ガスって、周りは何も見えません。

峠の登山口から、約一時間半で、金峰山に着きました。4,50分 頂上でねばってみましたが、ガスが切れることはありませんでした。

 一瞬、ガスが薄くなって、五丈石が目の前に浮かび上がってきました。でかいです。

 八ヶ岳の頭がチラリと見えたのがベストでした。眺望は諦めて、大弛峠に戻ります。山頂にいた時間も含め、4時間にも満たない山登り、百名山に対してこんなに安直な山登りで申し訳が立ちません。

 帰りは、山梨側におりました。最短距離を選んで「クリスタルライン」を通ってきたのですが、山梨側の林道は、みな舗装されていていい道でした。でも、「クリスタルライン」を瑞牆山荘あたりまで二時間走ってすれ違ったのは車二台とバイク一台だけでした。ほとんど車が通行しない何十キロもの立派な道を作る意味はどこにあるのかと疑問を感じたひとときでもありました。
 
 「クリスタルライン」の沿線から見える紅葉は丁度見頃でとてもきれいでした。

 金峰山のガスもかなり切れてきました。でも頂上はまだ見えません。

瑞牆山は、金峰山よりかなり低いけれど、きれいな山です。深田久弥の『日本百名山』を読んだだけでは、あまりピンとこなかったのですが、こうして目の前にすると、「なるほど百名山にふさわしい山だ」とその風格に圧倒されます。できれば、年内にこの瑞牆山に登りたいものだと、いまから打算しているところです。


2012年10月21日日曜日

里芋掘り

ここ数日、朝の冷え込みがひどく、先日は最低気温が4度にまで下がりました。寒さに弱い里芋は、葉が枯れ、茎が垂れてきています。
 葉が完全に枯れない限り、まだまだ芋も大きくなるらしいですが、作付けの量も多いので、ボチボチ掘り始めました。今年は、「穴底植え」をやったので、青芋は皆無ですが、掘る方はずっと大変になりました。20株も掘って、根を切ったりすると、もうアゴが出てしまいます。

2012年10月16日火曜日

褐色の砂礫に秋化粧 浅間山

 カラマツの黄葉越しに望む浅間山(前掛山)
 
 「絶好の紅葉狩り日和」という天気予報にそそのかされて、浅間山に登ってきました。「近くにあるからいつでも登れる」という気持ちがあるせいか、浅間山は今まで登ったことがありません。本当は、南アルプスの南部を攻めてみたかったのですが、もうほとんどの山小屋は閉鎖していて、こちらは来年のお楽しみということにして、近くの山に登ってみることにしたのです。浅間山は、警戒レベル1ということで、前掛山(標高2,524メートル)まで登ることができます。今日は、浅間山荘駐車場に車をおいて、火山館経由で前掛山まで登りました。

 
火山館をすぎるとカラマツもきれいに色づいてきます

 黒斑山やトーミの頭などの外輪山を左手に見ながら登っていきます

Jバンドへの分岐をすぎると視界が開けて浅間山が目の前に
 
外輪山の仙人岳、鋸岳方面

湯ノ平の紅葉と外輪山(黒斑山方面)の眺めが素晴らしい          

 
砂礫の登山道を登っていくと外輪山が一望に

 
 この先は、立ち入り禁止です。浅間山はすぐ目の前です

 登山道を右手に折れ、前掛山へ向かいます。シェルターが2個見えてきます

 前掛山からは、浅間山の噴火口が目の前に見えます。登っている人影もチラホラ確認できます。「山を途中で引き返す」とか「規制されている所にははいらない」というのは、やはり山登りを愛する人の最低のモラルだと思いますが…。

 前掛山へ登ってきた登山道です。爆裂火口壁の上にあります

前掛山からの眺望は最高でした。金峰山の奧には富士山が

 八ヶ岳の奧には北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳の山々が見えます

外輪山方向には、北アルプスの山並みがはっきりと見えました

振り返って、眺めた浅間山です。上部は砂礫で殺風景ですが、こうして仰ぎみるときれいな山です。好天に恵まれた一日、のんびりと景色を堪能することができた山登りでした。



2012年10月15日月曜日

チンゲンサイの出荷


二、三日前からチンゲンサイを直売所に出し始めました。今年は、白さび病に耐病性があると謳っているサカタのタネの『艶帝』という品種を選び、しかも白さび病予防のために殺菌剤「リドミル粒剤2」を播種時にまいたので、今のところ白さび病もでず、とてもいいチンゲンサイができました。
 チンゲンサイは野菜のなかではマイナーな部類に入り、登録農薬も少なく、病害虫の防除にはかなり気を遣います。こうした野菜をうまく作れると、自分としてもかなり達成感があります。もちろん直売所でも昼過ぎには完売です。

2012年10月13日土曜日

昔懐かしいりんごの味 紅玉


今は、リンゴも品種改良されて、甘くジューシーでおいしいものがたくさんあります。例えば「りんご三兄弟」といわれている中生種の「秋映」「シナノゴールド」「シナノスイート」などはその典型です。
 しかし、昔からある「紅玉」も捨てたものではありません。酸味が強く、加工用には最適と言われている「紅玉」は、いまも根強い人気を集めています。もちろん、生で食べても酸味のきいた甘酸っぱさはとてもおいしいです。
 この時期のリンゴは、気温も高いこともあって、あまり日持ちしないので、樹でギリギリまで熟させたおいしい「紅玉」は市場に多くは出回らないかもしれません。きょう、樹でギリギリまで熟させた「紅玉」を収穫しました。酸味が強いけれど、甘さもしっかり乗っている 「紅玉」を食べられるのは、まさに生産者の特権です。

2012年10月11日木曜日

莫言さん ノーベル文学賞おめでとう

私が知っている数少ない中国現代作家の一人である莫言さんが、今年のノーベル文学賞に選ばれたと報じられています。大江健三郎さんは、早くから莫言さんがノーベル賞にもっとも近い作家であると言っていましたし、私も莫言さんの作品が好きなのでずっと注目していました。
 映画「紅いコーリャン」や「至福の時」、「故郷の香り(原題「白い犬とブランコ 」)の原作者であるので、日本でもかなり知られている作家です。
「故郷の香り(原題「白い犬とブランコ 」)については、以前私もこのブログのなかで取り上げたことがあります。 こちらをご覧ください。
 東京大学の藤井省三さんは、「この旺盛な執筆を続ける作家が『言う莫(な)かれ』と名乗っていることは意味深長である。莫言、言う莫(な)かれ、とははたして何の謂いであろうか。」と書いています。このペンネームにこめられた彼の思いは果たしてどこにあるのでしょうか?
 これを機会に、書棚の奧でホコリをかぶっていた中国語版「莫言小説精短系列」の三冊を引っ張り出してきて、ぼちぼちと読み直そうかと思っています。

2012年10月8日月曜日

白芙蓉に映える紅葉 甲斐駒ヶ岳

 花崗岩の山肌は白く美しい甲斐駒ヶ岳

 駒津峰の南斜面は紅葉が真っ盛り

米の収穫と出荷も終わって、秋野菜の収穫まではすこし間のあるこの時期、甲斐駒ヶ岳(標高2,967メートル)に登ってきました。
 仙丈ヶ岳や北岳に登ったときに、その美しい姿はいつも目にしているのですが、何度も見るにつけ、深田久弥の『日本百名山』に「甲斐駒ヶ岳は名峰である。もし日本十名山を選べと言われたとしても、私はこの山を落とさないだろう。(この山を讃えた僧海量の漢詩を引用して)…信州側からすれば、碧芙蓉ではなく、白芙蓉ということになろうか。」とまで言わしめたこの山を登らずにはおれなくなったのです。

 北沢峠から双児山へ登ってくると視界が開け北岳や間ノ岳、塩見岳がきれいに見えます

南アルプスの女王・仙丈ヶ岳が正面に見えてきます。優雅な山容です

  甲斐駒ヶ岳も頭をのぞかせてきます。登る闘志が湧いてきました

 鋸岳が目の前に見えます。標高はそれほど高くありませんが、険しい山です

駒津峰まで来ると摩利支天と甲斐駒ヶ岳が正面に迫ってきました

 今日は好天に恵まれ中央アルプスの山々もよく見えます

 朝のうちは天気が良く、富士山が鳳凰三山の奧に望めました

駒津峰を過ぎて、間違えて直登コースに入ってしまいました。大きな岩をよじ登ったりで、ここまで来てやっと写真を撮る余裕が生まれました。写真より実際は、かなりの急斜面です。


頂上には、三時間あまりで着きました。7時前に登り始めたので、まだ10時前でした。写真は甲斐駒ヶ岳山頂にある祠です。

 頂上でくつろぐ登山者たち。連休最終日でも大勢の登山者が登っていました

頂上でゆっくり休んでいると、だんだんガスがかかってきました。仙丈ヶ岳も見えません。
 
 下山道の周りは白い砂で一面白の世界です

 下山は「巻き道」を降りてきました。滑りやすいので注意が必要です
これは、下山途中に撮った写真ですが、 左側の大きな岩の間を進む道が「直登コース」です。「巻き道」との分岐を見落として「直登」へ行ってしまいました。後には引けず、決死の思いで登り切りました。

駒津峰は、甲斐駒ヶ岳が正面に見える絶好の撮影ポイントです。下山してきた人たちは、皆ここで休憩して写真を撮っていきます。

山頂付近の拡大写真です。写真をクリックすると拡大しますので、山肌が鮮明に見て取れます。