最近、トマトの実が黒く腐ってしまうものが多発しているので、一体どんな病気なのだろうかと不思議に思っていました。腐る実が多いのに、葉や茎の部分は青々として何もないのです。
しかも、いままで水田になっていて今年はじめて野菜を作り始めた圃場だけに発生していて、ずっと野菜を作り続けてきた圃場ではひとつも発生していないのです。
不思議に思っていろいろ調べてみると、これは「尻腐病」といって、トマトの生理障害によって引き起こされる病気だということがわかってきました。原因は、土のなかの微量要素のカルシウムが欠乏していておこるのだそうです。苦土石灰や堆肥などをたくさん投入してトマトに適した土作りをしなければならなかったのです。
確かに、いままで野菜を作り続けてきた畑は、藁や苦土石灰などをたくさんいれ、土作りに心がけてきましたが、水田だったところは消石灰と化学肥料が中心で、いままで野菜をつくっていないので病気などの障害は起きないだろうと甘く見ていました。
というわけで、少しでも被害を軽減させようと、葉からカルシウムを吸収させる「アクアカル」という栄養剤を散布してみました。それにしても、野菜作りを甘く見てはいけないと痛感しました。トマトひとつとって見ても奥はとても深いです。