桜、桃に続いてリンゴの花も咲き出しました。このあたりでは、これから五月の連休にかけて、リンゴの受粉作業がはじまります。 写真は、「陽光」の花ですが、これは「フジ」に比べてピンクが強く綺麗です。「フジ」は、白っぽくてあまり綺麗ではありません。
まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の花ある君と思ひけり
やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたえしは
薄紅の秋の実に人こひ初めしはじめなり
わがこゝろなきためいきのその髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を君が情けに酌みしかな
林檎畠の樹の下におのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみとぞ問ひたまふこそこいしけれ
島崎藤村 『初恋』
この歌は、リンゴの実がなる秋が舞台なのでしょうが、雰囲気はリンゴの花咲くころが一番マッチするような気がします。そして、リンゴの花を見ていると、なぜかこの歌が浮かんできます。