2008年4月27日日曜日

リンゴの花

 桜、桃に続いてリンゴの花も咲き出しました。このあたりでは、これから五月の連休にかけて、リンゴの受粉作業がはじまります。 写真は、「陽光」の花ですが、これは「フジ」に比べてピンクが強く綺麗です。「フジ」は、白っぽくてあまり綺麗ではありません。

 まだあげ初めし前髪の林檎のもとに見えしとき 
 前にさしたる花櫛の花ある君と思ひけり

 やさしく白き手をのべて林檎をわれにあたえしは
 薄紅の秋の実に人こひ初めしはじめなり
 わがこゝろなきためいきのその髪の毛にかゝるとき
 たのしき恋の盃を君が情けに酌みしかな
 林檎畠の樹の下におのづからなる細道は 
 誰が踏みそめしかたみとぞ問ひたまふこそこいしけれ
         
       島崎藤村 『初恋』
 この歌は、リンゴの実がなる秋が舞台なのでしょうが、雰囲気はリンゴの花咲くころが一番マッチするような気がします。そして、リンゴの花を見ていると、なぜかこの歌が浮かんできます。