2013年1月15日火曜日

興味深い『南方周末』の記事


大雪であまりやることもないので、今話題になっている中国の『南方周末』のWEBサイトをのぞいてみました。ちょっと見た程度ですが、たしかにこの新聞は中国では当たり前の御用新聞とはかなり違っているような印象を受けました。
 そのなかで興味を引いたのは、いま中国で深刻になっている大気汚染の記事です。 国内500のもっとも大きい都市のうち WHO の推奨基準に達しているのはわずか1%にも満たず、大気汚染の世界ワースト10のうち7都市が中国であるというのです。また、大気汚染から来る疾病による損失は国内総生産 の1.2%にあたるということなどが書かれていました。原因は、自動車の排気ガス、石炭の排出ガスなどらしいですが、「生産第一主義」「金儲け第一主義」が蔓延している中国にとってこれからどうなっていくのでしょうか。注目していきたい問題です。



 この記事に関連しておもしろい記事が載っていました。「北京の客、北京咳」という記事です。「北京咳」というのは外国人が作った言葉らしいですが、大気汚染で「北京咳」の季節がやってきたというわけです。中国語では客と咳は声調はちがっても発音は同じ「ke(カァ)」です。駄洒落といえばそれまでですが、先日も「新浪網」の記事の見出しを縦に読めば「南方周末加油(南方週末頑張れ)」になるということが話題になったように、こうした文字の遊びも中国(語)文化のひとつの優れた側面のような気がします。もっともこれは、「遊び」などではなく、「老百姓(一般大衆)」が編み出した必死の抵抗の一形態にすぎないのですが。
 ともあれ こんな言葉が中国人にも共感をもって受け入れられるほど中国の大都市の大気汚染は深刻なようです。