秋の取り入れを前に、下界の猛暑を逃れて蓼科山(標高2530メートル)に登ってきました。自宅から眺めても、この時期の蓼科山はほとんど雲に隠れていて、山頂が見える日は数少な いです。したがって、頂上からの眺望は期待できないと思いながらも、農繁期に入る前の暇と夏の登山シーズンの終わりを見計らって、登ってみることにしまし た。
七合目の登山口には、蓼科神社の鳥居がたっています。ここまで、自宅から約45キロ。車で1時間半ほどかかりました。駐車場に車をとめて、朝8時に登山開始です。
登山道は、結構急な所もあって、それもほとんどが歩きづらいガラ場です。将軍平には、8時50分に到着しました。
将軍平には、蓼科山荘があります。夏山シーズンも終わった平日とあって誰もいません。正面には、蓼科山の山頂が見えます。
山頂手前の登山道。大きな岩の間を一歩一歩滑らないように気を遣いながら登っていきます。
山頂手前に、蓼科山頂ヒュッテがあります。9時15分に到着。
山頂の三角点から見下ろした山頂ヒュッテ。
山頂の三角点から、展望台方向の眺めです。下界は曇っていましたが、山の上は快晴です。頂上は、ただただ石がゴロゴロしているだけの世界です。
山頂の真ん中あたりにある神社の祠です。深田久弥の『日本百名山』には、自身が登ったときの感想を次のように書いています。
「頂上は一風変わっている。大きな石がゴロゴロころがっているだけの円形の広地で、中央には石の祠が一つあるきり。秋風に吹かれながら、石ばかりの頂上で私は一時間あまり孤独を味わった。」
石ばかりの荒涼とした風景は、まさに「孤独を味わう」としか表現のしようがない世界なのです。
この日は、頂上は晴れていても、下界は雲の下でまったく見えませんでした。山頂で、秋風を十分堪能して、ゆっくり下って11時に七合目の駐車場に戻ってきました。
帰りは、大河原峠まで足をのばして来ましたが、下から湧き上がるガスで、下界の暑さとはうって変わっての心地よさに満足した締めくくりとなりました。