私が知っている数少ない中国現代作家の一人である莫言さんが、今年のノーベル文学賞に選ばれたと報じられています。大江健三郎さんは、早くから莫言さんがノーベル賞にもっとも近い作家であると言っていましたし、私も莫言さんの作品が好きなのでずっと注目していました。
映画「紅いコーリャン」や「至福の時」、「故郷の香り(原題「白い犬とブランコ 」)の原作者であるので、日本でもかなり知られている作家です。
「故郷の香り(原題「白い犬とブランコ 」)については、以前私もこのブログのなかで取り上げたことがあります。 こちらをご覧ください。
東京大学の藤井省三さんは、「この旺盛な執筆を続ける作家が『言う莫(な)かれ』と名乗っていることは意味深長である。莫言、言う莫(な)かれ、とははたして何の謂いであろうか。」と書いています。このペンネームにこめられた彼の思いは果たしてどこにあるのでしょうか?
これを機会に、書棚の奧でホコリをかぶっていた中国語版「莫言小説精短系列」の三冊を引っ張り出してきて、ぼちぼちと読み直そうかと思っています。