2010年6月11日金曜日

四阿山 (日本百名山) に登る

 田植えも終わって、農作業の一段落した今日、梅雨前の晴れ間をねらって、四阿山(2354メートル)に登ってきました。
 菅平牧場    9:00 ~ 四阿山山頂 11:15
 四阿山山頂 11:30 ~ 根子岳山頂 12:35
 根子岳山頂 12:45 ~ 菅平牧場   13:45
5時間弱の山登りでしたが、毎日見ていても登ったことがなく、今年こそは登りたいものだと思っていた念願を果たしました。冒頭の写真は、四阿山山頂に建立されている二つの祠です。奥は上州祠、手前が信州祠です。
 登山口の菅平牧場管理事務所に着いたら、口蹄疫の予防のために消石灰を撒いていました。牧場内に入る山菜採りは、今年は禁止だそうです。登山者も牧場わきの登山道を通るため、消石灰を踏んで消毒していくように注意されました。下の写真のように、牧場内立ち入り禁止の告示もありました。
 「中四阿」経由で登ります。少しゆくと、緑が目に優しい。赤紫のツツジも緑に映えていました。
 「中四阿」付近から下を見れば、菅平がよく見えます。高原野菜用のマルチがキラキラ光っています。
 また、「中四阿」付近から根子岳を見ると、切り立った爆裂火口壁が正面にグッと迫ってきます。
 四阿山頂上の上州祠。群馬県側の標識には「吾妻(四阿)山」とありました。
 同じく、信州祠。なぜか上州祠よりすこし低いところにあります。
 四阿山の頂上付近の北斜面には雪がまだ残っています。この日はとても暑かったので、気持ちだけでも涼しくなりました。
 四阿山と根子岳の中間の鞍部からの根子岳方向の眺めです。一面、笹に覆われていてビロードの絨毯のようです。
 鞍部より根子岳にむかう途中で振り返れば、四阿山の北側には残雪の筋が何本も見えました。
 根子岳山頂の祠。1月に続いて2度目の参拝です。
 根子岳山頂のガラ場。1月は氷雪の世界だったけれど、いまは石がゴロゴロしています。その周りは背の低い笹が一面に生えています。
 根子岳からすこし下ったところで振り返れば、あたりは低木と笹の世界です。ダケカンバもまだ芽がでていません。
 ダケカンバ林の中に咲くツツジが綺麗です。このツツジはなんという名前でしょうか? 花はミツバツツジにそっくりですが、葉は三枚ではありません。‥‥あ、わかりました。ネットで調べていたら、「ムラサキヤシオ」という名前のツツジだそうです。雄しべが10本あるのが特徴で、よく似たヤマツツジ(雄しべ5本)と区別できるのだそうです。
 このあたりまでくだってくると、ダケカンバ(または白樺)も芽吹いています。そして、もうすこし下ると、下の写真のように緑もかなり濃くなってきます。
 出発地点の牧場管理事務所まで戻ってきました。牛がのんびりと草を食べていました。口蹄疫がここまで広がらないように祈って、消石灰が撒かれた道を後にしたのでした。この時期の二千メートル級の山は、まさに新緑の世界で、山の上からの遠望はあまり期待できませんが、緑の中を歩くと身も心も洗われます。

 最後に、深田久弥の『日本百名山』の一節と、春先に「神川の谷」(つまり自宅付近)から撮った四阿山(右)と根子岳(左)の写真を載せておきたいと思います。  「信越線の上田に近づくと、神川(四阿山から流れ出る川)の谷の奥に、遙かにこの山の望まれる所がある。頂上がやや左に傾いだ屋根型をして、その右端に乳首のような丘が盛りあがっている。いい形である。昔の人はただどんな山でも名山とは呼ばなかった。眺めて美しい、品格のある山でなければならなかった。」(深田久弥著『日本百名山』から)